1.アイリストは正しい知識と高度なテクニックが必要
そもそも、美容関係で起業・開業をしたい人にとって、まつ毛エクステはまさに今が狙い目の業種です。ニーズが満たされ、むしろ飽和状態になりつつあるヘアやネイルと比較すると、まだまだ成長が見込める将来有望な分野だからです。
マツエクの施術士を目指す場合、美容師免許が必要になります。お客さんの体に直接触れるため美容行為とみなされるからです。まつ毛に特化した免許はありませんが、いくつかの民間団体がまつ毛エクステの技能検定を主催しています。
合格して資格を取得すれば、お客さんからも信頼を得やすくなります。中でも、日本まつげエクステンション協会が行っているJLA技能検定は、受験者が多いことで知られ、1級に合格すれば優れたスキルの持ち主であることを証明できます。これらの資格があれば、ビジネスチャンスが広がります。
■1-1. ハードルが高いからこそ、やりがいが増すまつ毛エクステのサロン開業
アイラッシュサロン(マツエクサロン)では、自宅の一室やテナントスペースにゲストを迎え、まつ毛エクステのサービスを提供します。マツエクサロンも美容院と同じく保健所からの開業許可が必要です。
営業施設の作業面積、照明の強さ、炭酸ガスの濃度、消毒設備、収納施設などが基準を満たし、加えて伝染性疾病がないことを証明する医師からの診断書を提出しなければなりません。もちろん美容師免許も不可欠です。
ツイザー(専用ピンセット)やグルー(接着剤)などアイリストが使用する商材は原価が安く、大掛かりな機材も不要です。しかし、美容師免許取得を含めるとサロン開業費用の目安は、100~200万円と決してお安くないのが事実。
これだけクリアしなければならない条件が多いと、たいていの人は途中であきらめてしまいがち。だからこそ、すでに美容師免許を取得している人や本当にやる気のある人にとっては、ライバルが少ない市場なので逆にチャンスです。
■1-2. 施術をしないアイリストとして起業すれば、サロン開業よりも簡単で気軽!
サロン経営ばかりが開業の道ではありません。美容師免許取得者でなくても、マツエクと接客が好きな人にピッタリの仕事があります。
それが、今注目されているセルフエクステのレクチャーです。マツエクのテクニック伝授と、それぞれの目の形や顔立ちに似合うアイラッシュのアドバイスが主な仕事内容です。
サロンに行く暇がない時や、2~3本をすぐにリペアしたい時などに便利かつリーズナブルとあって、セルフエクステをしたい人は増えています。
メイクやネイルよりも複雑で安全性が求められる作業なので、道具の選び方や使い方、そしてエクステの正しい装着方法などを的確に指導してくれるプロは心強い存在です。お客さんの体に触れなければ美容行為とはみなされないので、特別な資格は不要です。
税務署に個人事業主の届け出さえすれば、その日からでも開業が可能。場所を選ばずどこでも始められ、初期費用も30万円程度から始められるのが魅力です。
■1-3. 美容師資格が必要なし?マツエクフランチャイズ経営の道
全国を始め、各地域を中心に店舗展開を行うマツエクサロンもフランチャイズ展開を行うお店が増えています。美容師免許を持たずとも、フランチャイズ経営を始めることで、マツエクビジネスを立ち上げることが可能です。
フランチャイズの強みは、お店が軌道に乗るまでロイヤリティー(利益の何割かを本部へ支払うしくみ)を支払わずに良い場合が多いという点です。広告宣伝は本部が行いますし、運営マニュアルもそろっているので、イチからマツエクサロン経営を始める場合でも、ノウハウをすぐに手に入れられるメリットがあります。
また、本部が用意した店舗のオーナーになれるメリットと、美容師免許を持ち本部が養成したアイリストが派遣されるので、経営や店舗運営のみに専念することができます。
■1-4. フランチャイズのマツエクサロン開業資金はいくらくらい?
フランチャイズ経営を行う場合、開業資金は500万円からが相場のようです。店舗の整備はあらかじめ本部が行うことが多いですし、経営者が必要なのは、契約金の他、消耗品や什器の購入、人件費などです。
マツエクの場合資材の仕入れなども伴いますが、もし資金不足などの場合本部が借り入れまでに必要な事業計画書作成などのバックアップも行います。
ただし、保健所への許認可が必要となります。条件を満たすまでの施設の拡充など、衛生に関する知識なども求められますので、この他に外部研修費用などが求められる場合があります。
フランチャイズといっても、経営形態はケースバイケースになることが予測されます。相場プラスアルファの予算を準備しておくと、スムーズにことが進むでしょう。
2.第三の選択肢「ホームサロン」独立という道
もし、美容師資格を持っておりマツエク関連の資格を持っている場合、ホームサロンとして自宅開業を行うことも可能です。マツエクだけの施術では集客が見込めない場合でも、ネイルやリラクゼーション、美容師資格を活かした頭皮マッサージなどのメニューも導入すればそれなり収入・集客が見込めるようになります。
勤務アイリストでも、独立開業でホームサロン形態での運営に変えることで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、ホームサロン独立についてメリットやデメリット、独立の際に絶対気をつけてほしいことについてまとめました。
■2-1. マツエクのホームサロンのメリット
自宅開業をすることで、テナント料などの経費を削減することができます。また、自宅兼事務所となりますので、電気代や通信費など経費の按分等が可能となります。
テナントのように設備の拡充が求められることも少なく、独自のスタイルを確立させ雰囲気があるサロンづくりを行えば、固定客が付きやすくなります。
さらに、勤務アイリストの場合はお客ありきの仕事になり、残業が増える傾向にありますが、自宅開業の場合は、自分の都合に合わせ集客をコントロールすることができます。子育てや介護などが理由で自宅にいたいという方にもおすすめです。
お客さんと近い関係が築けることもメリットの一つです。アットホームな雰囲気を作ることで、お客さんと会話を楽しむこともできるようになります。コンセプト作りを念入りに行うことで、お客さんにゆったり過ごしてもらうことも可能ですので、「また来たいサロン」として固定客も付きやすくなります。
■2-2. マツエクのホームサロンのデメリット
自宅開業をする場合、保健所への届け出が必要となります。営業を行うに当たり条件を満たした環境を整えなければいけません。その際、自宅の居間をサロンにということはNGで必ず居住空間とサロンは分ける必要があります。
また、13㎡以上(8畳程度)のスペースを確保しなければいけないため、部屋の改装が求められる場合があります。各地域の条例によっても異なるため、お住まいの地域を管轄する保健所に美容所開業に関する条件を聞きながら満たしていく必要があります。
さらに、地域によってはマツエクが浸透していない・マツエクを良しと思わない世代の居住者が多いというような状況から、開業後も集客がおもわしくないというような状況に陥ることも考えられます。
やみくもに「ホームサロン開業」を目指す前に、周辺地域に競合店がないか、マツエクのニーズがあるのかなどをきちんとリサーチする必要があるでしょう。もちろん、お客様用駐車場の整備も必要不可欠です。
3.独立したら絶対に成功したい!失敗しないために気を付けたいこと
事業を軌道に乗せるためには美容の腕を磨くことも大切ですが、宣伝活動も欠かせません。予算にゆとりがある場合はタウン情報誌などに広告を出すのも良いですが、ブログの立ち上げやSNSをフル活用すれば、余計な経費をかけることなく、サービス内容や料金などの情報をより多くの人に伝えられます。もちろん、SNSに関してこまめな更新も必要です。
顧客を多く獲得するためにはキャンペーンや日々の情報はほぼ毎日更新していきましょう。また、ホームサロンである特色を生かし、地域のイベントへの出店なども積極的に考えていく必要があるでしょう。
また、女性客を対象とした商売では口コミが広告と同等か、それ以上の宣伝効果をもたらすこともお忘れなく。お客さん一人一人を大切に、100%満足してもらえるような上質のサービスをこつこつ続けるのが大切です。子育て中のママが来店しやすい環境を作るなど特色を打ち出すことも求められるでしょう。
一番気をつけたいのが、信頼の構築です。アイリストとしてのたった1つのミスが、これまで積み重ねてきた信頼を崩し、ネガティブなうわさの引き金になることもあります。施術中以外のところでも言動や行動には常に気をつけていく必要があるでしょう。
■3-1. 口コミを何よりも大切に!
集客力を高めるには、実際に足を運んでくれたお客さんの「このお店、おすすめ!」という強力な一言が必要です。お客さんは満足できる結果が得られたら、お友達に対しどんなふうに良かったのか、施術の仕上がりはどうだったかしっかりレビューしてくれます。
マツエクを施したことでその方の表情が明るく美しいものに変わっていたのであれば、お友達も「そのサロンでマツエク施術を受けたい」と思う確率が高まります。お客さん一人ひとりが口コミを寄せてくれるレビュアーであることを忘れずに施術を行いましょう。感謝の気持ちをきちんと伝えることや、お客さんがくつろいで施術を受けられる環境を整えることを忘れずに日々営業する必要があります。
美容系サロンは接客が第一です。マツエクになるとお客さんの体に触れることにもなるので、お客さんを不安にさせる施術は厳禁です。自信を持って施術を行うことと、毎日初心に返って施術に当たることが大切です。
また、定期的に研修会などに参加し、新しいマツエクの技法を学ぶことや新発売のマツエク素材などの情報を仕入れることも、お店を続けるためには必要です。
■3-2. マツエクサロンの立地の選び方
ホームサロン、物件を借りるなど、マツエクサロンを開業する際には立地にもこだわる必要があります。定期的に通ってもらいやすい場所か、無料駐車場などは完備できるかなどをメインに考えながら、賃借料の問題や広さ、サロン向けに改築してもかまわないかなども考慮に入れましょう。
ホームサロン(自宅開業)の場合は、保健所から認可を得るために居宅空間とサロンを別空間にすることができるか、リフォームできるかなども視野に入れる必要があります。もちろん、自宅は主要駅からアクセスしやすい場所にあるか、地域的に「サロン向け」のエリアかどうかも考慮する必要があります。
マツエクサロンは「買い物ついでに」「ヘアカットと一緒に」など何かの時に施術を受けたいと考える方も多く見られます。賃借料が高額に上っても集客力が見込まれる駅からアクセスが良い商業地域を選ぶか、駐車場などのサービスを拡充して駅近くでも商業地域から離れたところを選ぶかは戦略の一つとも言えるでしょう。
先に触れたフランチャイズ契約をすることで、そのお店のコンセプトに見合った物件を割り振ってもらえることもありますので、物件選びに迷ったらフランチャイズ契約を考えることも一案です。
まとめ
マツエクサロンのオーナーも、セルフエクステのアドバイザーも、美しくなりたいと願う女性を応援したいサービス精神旺盛な人にとって天職です。デリケートな目の周りを扱うサービスなので、優れたスキルと強い責任感も必要です。マツエク人気の高まりに伴い、テクニックを学べるスクールも増えています。自分磨きの一環として趣味で習うレベルから、プロを目指す充実のコースまで、レッスン内容も様々なので、興味があれば問い合わせてみるといいでしょう。
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